決め手を欠く状況が続いている~ドル円~

つれづれです。

 

昨日はアメリカの経済指標が大きく上振れして、ドル円は一時円安方向になりましたが、その後は利上げ恐怖からダウ平均が大きく下落したため、日足チャートでは少し円高で取引を終了しました。

 

私がかなり信頼を置いている8時間足のMACDでは、いまだにデッドクロスは示現されておらず、ちょうど8時間足と4時間足の一目均衡表の雲上限付近でうろうろしています。

 

アメリカの経済状況としては、ダウ平均は緩やかに下落トレンドを形成しており、下落トレンドが再開した上海総合指数とも相まって、リスクオフの様相が熟成されているにも関わらず、方向が定まらないグズグズした相場になっています。

 

逆に言えば、ドル円は円高エネルギーを放出し、一旦リバウンドしてから、次の方向を定める局面に来ていると言えます。

 

多少の変動があると思われるのが、来週18日水曜発表の日本の1-3月期GDPです。マイナス成長の可能性が高いと言われているため、一旦円高方向になるでしょうが、その後は追加緩和期待で持ち直すとみています。つまり、これだけではトレンドは決まらないと思っています。

 

トレンドを形成しうるイベントは、5月末の伊勢志摩サミットでの各国が同調した経済対策や、日本の消費税増税延期の決定という見方もあるでしょう。日経新聞に増税延期の記事が出ていますが、ここまでリークされているとなると既定路線だと思います。

www.nikkei.com

 

首相はサプライズが苦手なようで、なぜサミットまで黙っていないのか不思議です。発表の効果が薄まる可能性が高いからです。先のことになりますから、さすがに出尽くしとまではいかないと思います。逆に、サミットまでの間に財務省からの横やりで頓挫してしまうと、失望ショックで円高は間違いないでしょうね。

 

ただし、消費税増税延期の実効性もすこし問題があり、国民の総意であることを財務省に分かってもらうために、夏の参議院選挙で自民党が勝利し、さらに衆議院選挙が年末から来年初めにありそうなので、そこでも自民党が勝利する必要があります。

 

ですので、実行性が選挙結果に依存しているため、現時点でトレンドを形成するほど強いトピックにはならないと思います。

 

また、経済対策では、各国は美辞麗句を並びたてるでしょうが、実効性のある政策を打ち出すとは思えません。特に鍵を握るドイツは財政出動に否定的です。

 

残された大きなイベントは、6月15日のFOMC、6月16日の日銀会合、6月23日のイギリスの国民投票で、おそらくそこで相場が動き出すはずです。

 

予想では、6月発表のアメリカの雇用統計が悪くなければFOMCは利上げ、日銀は様子見、イギリスはEU残留です。その結果、リスクオフの最終局面になると読みます。結局、アメリカの政策が与える影響が一番大きいのだろうと思います。

 

それまでの約1ヶ月間は、ドル円や日経平均はどっちつかずのもみ合いになると予想します。

 

なお、日銀の追加緩和は当分ないと思います。原油価格が上昇してきており、ある程度また原油も下がるとは思いますが、物価が緩やかに上がると見込んでいるからです。

 

建前上、物価を上昇させるために金融緩和していますから、そうそう追加の金融緩和はしないと思います。となると、消費税増税延期後に、日本経済がある程度立ち直って、2020年のオリンピック間近にようやく消費税を増税する直前に、後押し的に追加金融緩和をすると思います。

 

消費税増税は、おそらく2018年になると思います。あまり遅くなると2020年までの財政健全化が達成できなくなるからです。1年だけの延期が、財務省や世界各国にも受け入れられやすい条件ではないでしょうか。

 

逆に言えば、その追加金融緩和時が最後の金融緩和になるはずですから、その吹き上がり時に日本株のロングポジションの利確をすることがポイントになると思います。

 

まとめ

  • しばらくドル円や日経平均は明らかなトレンドが出ない
  • 6月のアメリカの利上げ発表でリスクオフになる可能性を考慮
  • 消費税増税前に最後の追加金融緩和を予想

 

 

 

 

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