ドル円と日経平均の中休み中に9月21日のFOMCと日銀金融政策決定会合を考える

つれづれです。

 

ドル円は少し反落していますが、一時的な可能性が高いと思われます。日経平均は3空ができましたら、定石通り売りに転じていますが、目先の天井ということだけです。

 

さて、相場の中休み的なこの状況で9月21日の大イベントについて考えてみたいと思います。

 

まずFOMCですが、利上げ、もしくは12月に利上げを強く示唆する据え置きのどちらかだと考えます。今後のFRB関係者の発言次第ですが、タカ派なら利上げでしょう。少しタカ派トーンが落ちるようでしたら、据え置くものの12月に向けて利上げを強く示唆すると思います。結果として、アメリカの金利は上がり、ドル高円安傾向になると思います。比較的予想は簡単です。

 

もちろん、利上げと言っても、上げられるのはごくわずかだと思いますので、ダウ平均にはあまり悪影響を及ぼさないだろうとみています。

 

次に日銀金融政策決定会合ですが、こちらは難問です。

 

「総括的検証」と銘打っていますから、これまでのマネタリーベース主体の国債購入やETF購入、マイナス金利の是非を問うことになります。

 

これらの政策は一時的な効果があったのですが、結果として上手くいっていません。これはアメリカの金融政策の影響が強いためでもあるのですが・・・。マイナス金利にいたっては、不評ばかりのような気がします。

 

ただ間違っても、誤った政策をしていたとは口が裂けても言えないので、おそらく一時的には効果があったが不十分であったか、もしくは状況が変化した、とか建前を付けて、現在の方針から転換する可能性が高いと思われます。

 

以下に想定されるシナリオを記述してみます。

 

シナリオ1

マネタリーベースから金利をターゲットにする

 

現行の日本国債の購入ではいずれ限界が来ることは明白です。買いたくても買う国債がなくなるのです。そうなれば、投機筋から緩和の限界が見透かされて、ドル売り円買いになるでしょう。ですので、低金利を維持する分だけの国債を買うように、金利をターゲットにすれば良いのです。反動として、今よりは若干金利は上がると思います。

 

シナリオ2

超長期日本国債か、赤字国債を政府が発行して、日銀が購入する

 

日銀法、財政法では赤字国債の日銀の引き受けは原則禁止ですが、国会が承認した場合には例外として認められています。いわば無限に国債が発行されるため、国債が枯渇する心配がなくなります。それに似た政策として現在の国債よりも長期の超長期国債を発行して、それを日銀が購入する場合もあり得ます。どちらにせよ、日本国債の信用が失墜するので、国債は多少暴落しますが、日銀の強力な買いで思ったよりは金利は上がらないと予想します。この実現には政府と日銀の連携が必要になり、財務省や政府とのやりとりも必要になるでしょうから、実現性は低いと考えます。

 

シナリオ3

マイナス金利の拡大

 

いわばペナルティとも言えるこの政策は、銀行の反対もあって実施しづらいとは思います。しかし、日銀の当座預金にかかる付利と呼ばれる利息の0.1%を廃止するか、ほぼゼロにするか、マイナスにするといった可能性は残されています。マイナス金利は銀行にかかる負担が大きいのですが、銀行だけが0.1%の金利を得られる世の中もおかしいと言えばおかしいです。そもそも、日銀が多額の国債を購入しても、その金額のお金が身近な市中に出回るようになれば良いので、結構な確率でマイナス金利の拡大はあり得ると思われます。特に企業がお金を預ける口座で、一定の額以上にマイナス金利が課される可能性が高いと思われます。その場合には、一応何らかの配慮がなされるとは思います。マイナス金利の効果は紙一重だと思いますが、どこの金利をマイナスにするかが重要だと思います。

 

結論)日銀の国債買い入れのコストと実現可能性からみて、マネタリーベースから金利ターゲットになることと、マイナス金利の拡大がもっとも可能性が高そうです。ETFの購入などは現状のままでしょう。

 

 

 

PR